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雨の夜、ライトアップされて千鳥ヶ淵のお堀の水面に映り込むソメイヨシノ

JOURNAL ・ 撮影地の記録

千鳥ヶ淵の夜桜 ― 雨の夜に灯る、お堀の桜

📍 東京都・千代田 千鳥ヶ淵 🌸 見頃 例年3月下旬〜4月上旬

東京・千代田。高層ビルと官庁街にほど近いその場所に、春のあいだだけ、別の時間が流れる一画があります。皇居の西を縁取る千鳥ヶ淵。お堀沿いの遊歩道を、頭上まで届くソメイヨシノが覆いつくします。とりわけ雨の降る夜、ライトアップされた桜は黒い水面に静かに沈み、もうひとつの花の景色をつくります。

水鏡に咲く、もう一本の桜

晴れた昼の千鳥ヶ淵もうつくしいけれど、私が心を奪われるのは、雨の降る夜です。ライトに照らされた花びらは雨を吸って色を深め、枝先からしずくがお堀へと落ちていきます。風のない晩には、水面が一枚の鏡になります。岸に咲く桜と、水にうつる桜。上と下にひろがる二本の花を前にすると、どちらが本物なのか、ふいに分からなくなる瞬間があります。傘を打つ雨の音だけが、ここが現実なのだと教えてくれます。

灯りのにじむ夜のお堀で

日が落ちると、緑道の桜並木に明かりが入ります。お堀のほとりにはボート乗り場の灯りがともり、雨に濡れたレンズの向こうで、その光はやわらかくにじんで広がります。すぐ背後には都心の喧騒があるのに、お堀のふちに立つと、不思議なほど音が遠ざかる。当直の長い夜を抜けてここへ来ると、張りつめていたものがゆっくりほどけていくのを感じます。花を眺める時間というのは、それ自体がささやかな手当てなのかもしれません。

岸に一本、水にもう一本。
雨の夜だけにひらく、二本の桜。

訪れる方へ ― 見頃

いちばん知りたい、季節と灯りのこと。

ソメイヨシノの見頃は例年3月下旬から4月上旬ごろ。お堀沿いの「千代田のさくらまつり」の期間中には、千鳥ヶ淵緑道の桜並木がライトアップされ、夜桜を楽しめます。点灯はおよそ日没後から夜21時ごろまで。都内でも指折りの名所だけに、見頃の週末はたいへん混み合い、緑道は一方通行になることもあります。開花や点灯の日程は年によって前後しますので、最新情報は必ず公式でご確認ください。雨上がりや小雨の平日の夜は、比較的しっとりと向き合えます。

アクセス

最寄りは東京メトロと都営地下鉄の九段下駅で、出口からお堀沿いの緑道入口まで徒歩5分ほど。半蔵門線の半蔵門駅からも徒歩5分ほどで、こちらは英国大使館側から千鳥ヶ淵へ入れます。いずれも複数の路線が乗り入れる便利な駅です。夜のライトアップや雨の日は足元が暗く滑りやすいので、歩きやすい靴でお出かけください。

撮影のヒント

雨の夜は、千鳥ヶ淵がもっとも表情ゆたかになる時間です。狙いは水面のリフレクション。風のない瞬間を待ち、お堀の縁から低く構えると、桜と灯りがきれいに映り込みます。暗いので三脚は必須。数秒の長秒露光で、雨に濡れた花びらと、にじむボート乗り場の光をやわらかく描き出せます。ライトアップの色に露出を合わせ、わずかにアンダー気味にすると、夜の深みが残ります。傘とレンズを拭く布を忘れずに。

あわせて巡りたい

千鳥ヶ淵の周辺には、桜の見どころが集まっています。すぐ北の靖国神社は東京の桜の標本木がある古社で、参道の桜も見事です。お堀をはさんで広がる北の丸公園にも数百本の桜があり、昼の散策にぴったり。皇居外周をぐるりと歩けば、お堀ごしに移ろう春の景色を一日かけて楽しめます。

📍 所在地東京都千代田区・千鳥ヶ淵緑道(皇居西側のお堀沿い)
🌸 見頃例年3月下旬〜4月上旬ごろ
🌸 桜ソメイヨシノ、オオシマザクラなど(千鳥ヶ淵緑道・お堀沿い、約700mの桜並木)
🏮 ライトアップ千代田のさくらまつり期間中、緑道の桜並木を点灯。例年は日没後から夜21時ごろまで
🚣 ボート区営の千鳥ヶ淵ボート場あり。お堀の水面から夜桜を仰げる。事前予約制の年もあり
🚉 アクセス東京メトロ・都営地下鉄 九段下駅から徒歩約5分、半蔵門駅から徒歩約5分
ℹ️ 最新情報開花・ライトアップ・ボートの日程は年により変動。千代田区観光協会等で最新情報をご確認ください
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