JOURNAL ・ 撮影地の記録
ダイヤモンド筑波 ― 200万本のポピーと、山頂から昇る朝日
茨城・下妻、小貝川の広い河川敷。約200万本のシャーレーポピーが、まだ薄暗い朝の光を待っています。一年のうちわずか数日だけ、東にそびえる筑波山の頂から太陽がのぼり、山の頂きに一粒の光が宿る——「ダイヤモンド筑波」と呼ばれる朝の奇跡です。ポピーの赤と、ダイヤの輝きが重なる時間を求めて、夜明け前から人が集まります。
山頂にダイヤがともる朝
ダイヤモンド筑波は、太陽が筑波山の山頂とぴたりと重なる、ほんの一瞬の現象です。小貝川ふれあい公園では、ポピーの見頃と重なる5月下旬ごろにその時期が訪れます。空がまだ群青に沈むうちに三脚を立て、息を整えて待ちます。やがて山の稜線がオレンジに溶け、頂きから光がこぼれた瞬間、ポピー畑いっぱいの赤がいっせいに目を覚まします。救急の現場で慣れたはずの「待つ時間」も、この朝ばかりは胸が高鳴ります。
群青から、朝焼けへ
この場所の魅力は、ダイヤの一瞬だけではありません。日の出前の群青——ブルーアワーに沈む筑波山と、200万本のポピーのシルエットもまた、静かで美しい時間です。刻一刻と色を変えていく空のグラデーションは、同じ朝が二度とないことを、そっと教えてくれます。
山の頂に、ひとつぶの光。
赤い海が目を覚ます、夜明けの奇跡。
訪れる方へ ― 見頃とダイヤの時期
これから訪ねる方のために、見頃やアクセスをまとめます。
ポピーの見頃は例年5月中旬から下旬。約200万本が筑波山を背に咲きそろいます。ダイヤモンド筑波が見られるのは例年5月24日前後の数日間とされますが、太陽と山頂が重なる位置・日付はその年によって変わります。撮影目的の場合は、最新の観察情報や日の出時刻を確認のうえ、夜明け前に到着するのがおすすめです。開花期には「小貝川フラワーフェスティバル」も開かれます。
アクセスと駐車場
会場は茨城県下妻市の小貝川ふれあい公園です。お車の場合、常総ICから約20分、土浦北ICから約40分。普通車379台分の無料駐車場があります(フラワーゾーンに近い、国道125号沿いの駐車場が便利です)。公共交通では、関東鉄道常総線・下妻駅からバスで約10分、「比毛(ひげ)」バス停から徒歩約5分です。河川敷は朝夕に冷えることがあるので、一枚羽織れるものがあると安心です。
撮影のヒント
ダイヤモンド筑波をねらうなら、三脚は必須です。日の出は明暗差が大きいので、露出は山頂の光に合わせ、ポピーは少し暗めに沈めると赤が締まります。太陽が出る前のブルーアワーから撮りはじめ、空の色の移ろいも一緒に残すのがおすすめ。望遠レンズで筑波山とポピーを引き寄せて圧縮すると、迫力のある一枚になります。
あわせて巡りたい
小貝川のまわりには、のどかな河川敷の風景が広がります。下妻や結城のあたりには歴史ある町並みも残り、朝のポピーを楽しんだあと、ゆっくり立ち寄るのにちょうどよい距離です。