グラジオラスとモンステラで描く「初夏の力強さ」

グラジオラスとモンステラを使った初夏の生け花作品(正面) Ikebana arrangement with gladiolus and monstera for early summer (front view)生け花作品   Ikebana Works
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初夏の勢いを花に込めて

陽射しが日に日に強まり、空の青さも深みを増す季節。
そんな“初夏”のエネルギーを、たった2種の花材でどこまで表現できるか。
この挑戦から、今回の作品は生まれました。

鮮やかなピンクのグラジオラスと、存在感あふれるモンステラ。
それぞれが持つ個性をぶつけ合うのではなく、調和させることで、一つの物語を紡ぎ出します。

この作品は、静寂の中に熱を秘めた「夏の序章」。
空間に置くだけで、見る人の心に“夏の始まり”をそっと伝える——そんな花を目指しました。

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作品の構成と意図

この作品の中心となるのは、水平に広げたモンステラの葉。
それによって生まれる「緑の舞台」は、静かでありながらも圧倒的な存在感を持ちます。
その上に、グラジオラスの花がダイナミックに斜め上へと伸びることで、視線を一気に引き上げる力強さが生まれます。

グラジオラスの茎のラインは、まるで季節の流れそのもののよう。
春の穏やかさから、夏のまっすぐな光へと向かう勢いを象徴しています。

また、グラジオラスの葉はあえてモンステラの「隙間」から顔を出すように配置しました。
これによって、ただの平面ではなく、奥行きのある空間が生まれ、どの角度から見ても発見がある構成になっています。


花材の紹介:グラジオラスとモンステラ

グラジオラス

グラジオラスは、アヤメ科の多年草で球根植物。真っ直ぐに伸びる茎に、次々と咲く花がまるで「光の階段」のように見える美しい花材です。
英語では「Sword lily(剣のユリ)」とも呼ばれ、ラテン語の「gladius(剣)」に由来します。

花言葉は「勝利」「誠実」「情熱」など。
その姿勢は、まっすぐな信念や力強い前進を象徴しているかのようです。

モンステラ

モンステラは熱帯アメリカ原産の観葉植物。
その大きな葉に自然と入る切れ込みや穴は、熱帯雨林で効率よく光や水を取り込むための工夫とも言われています。

生け花では、1枚で圧倒的な存在感を放つため、作品の“基礎”や“背景”として非常に優秀。
また、葉の曲線が花の直線と対比することで、美しい調和が生まれます。


花器について

この赤い陶器の花器は、一見するとかなり主張の強い色合いに見えるかもしれません。
特に濃いピンクの花材と合わせるとなると、「色がケンカしないか?」という懸念も生まれます。

しかし今回は、モンステラの葉を花器の縁に沿わせて活けることで、赤の面積をうまく抑えました。
その結果、花器は“支え役”に徹しつつ、全体の作品にあたたかみを添える名脇役となっています。


一文字留めの工夫と注意点

花器の中には、横に渡した3本の枝で【一文字留め】を施しています。
これは、花材を挿すための“足場”を作る、古典的かつ非常に実用的な技法です。

剣山を使わずとも安定感のある配置が可能で、自然な印象に仕上がるのが特徴。
特に、ガーデン風やモダンな作品との相性が良いです。

ただし、注意点としては、ガラス製や繊細な高級花器には使用しないこと。
枝を固定する際に器を傷つけたり、ひび割れを起こす可能性があるため、陶器製など頑丈な器でのみ行うようにしましょう。


横から見た美しさと、奥行きの工夫

一見シンプルな構成でも、横や後ろから見ることで新たな表情が見えるのが生け花の面白さ。
今回の作品では、グラジオラスの葉を後方にも配置することで、奥行きと立体感を演出しています。

下の写真は向かって右側が作品の後ろ、奥にあたります。この写真の意図は、グラジオラスの葉を奥にも入れたことで作品の奥行きも演出しています。

正面だけでなく、360度あらゆる角度から鑑賞されることを前提に構成することで、作品は「彫刻的」な魅力を帯び始めます。

これは、特に公共の空間や待合室、病院などに飾る生け花にとっては重要な視点です。
どの位置から見ても“破綻しない美”をつくることが、見る人への敬意にもつながります。


医師としての視点:花がもたらす“副作用のない処方箋”

私は医師として、日々多くの患者さんと接しています。
薬や治療だけでなく、「心が安らぐ瞬間」が健康に大きく関わることを、臨床の現場で実感しています。

生け花は、花の姿や空間の余白を通して、見る人に癒しや活力を届けてくれるものです。
特に今回のような、強さと包容力の両方を併せ持つ作品は、患者さんや訪問者にとって“静かなる励まし”となるでしょう。

医療の現場にもっと花を。
それは決して贅沢ではなく、心の健康への小さな処方箋だと私は考えています。

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