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富士山を背に咲く花の都公園のキバナコスモス、夜明けの朝焼け

JOURNAL ・ 撮影地の記録

花の都公園 ― 富士を背に咲く、秋の花畑

📍 山梨県・山中湖 花の都公園 🌼 見頃 9月ごろ(キバナコスモス・赤そば)

山梨・山中湖。富士のすそ野、標高およそ1,000mの高原に、秋になると一面の花畑が広がります。黄金色に揺れるキバナコスモス、そのあいだに差すルビー色の赤そば。顔を上げれば、いつもそこに富士がいる。空気がきりりと澄んで、夏とも冬ともつかない、ほんの短い季節のことです。

富士を背に、花がいっせいに揺れる

花の都公園に立って、まず驚くのは空の広さです。さえぎるものが何もない高原に、黄金色のキバナコスモスが地平の果てまで続き、その向こうに富士がまっすぐ立っている。花が風にさざめくたび、畑全体がひと呼吸するように波打ちます。富士という大きな静けさと、足もとで休みなく揺れる無数の花。動かないものと、動きつづけるものが、ひとつの画面のなかで静かに釣り合っている。心が動くのは、たぶんその対比のせいです。大きな山のふもとで、こんなにも小さな花が、こんなにも堂々と咲いている。それを見ていると、こちらの肩の力も自然とほどけていきます。

夜明けの色と、高原の秋

いちばん心に残るのは、夜明けの時間です。空がまだ藍色のうちから三脚を立てて待っていると、東の縁がゆっくりと紅を帯び、やがてその光が富士の頂と花畑の両方を、いっせいに赤く染めていく。黄色いはずのキバナコスモスが、朝焼けのなかでルビー色に変わる数分間は、息をのむほどです。九月の高原はもう肌寒く、吐く息がうっすら白い。救急の夜勤では時間に追われ、秒を刻むようにして過ごします。けれどこの花畑の朝は、まるで時間がたっぷりと注がれているようで、ただ立って光が満ちるのを待つことだけが、その場の役目になる。そういう時間が、私にはどうしても必要なのだと、ここに来るたび思い出します。

富士はじっと、花はさざめく。
夜明けの色が、その両方を染めていく。

訪れる方へ ― 見頃

高原の秋は足早です。出かける前に、いくつかの目安を。

キバナコスモスは例年、八月の下旬ごろから咲きはじめ、九月を中心に十月の半ばあたりまで楽しめます。赤そば、いわゆる高嶺ルビーは、九月の下旬から十月のはじめにかけて色づくことが多く、ちょうどキバナコスモスと重なる時期に出会えます。富士の頂に初冠雪が訪れるのもこのころで、雪をいただく富士と秋の花畑がそろう、一年でも特別な数日になります。広い花畑エリアはおおむね無料で歩けますが、施設のそろった清流の里は有料区域です。開花の進みぐあいは天候で前後しますので、出かける前に最新の開花状況を確かめておくと安心です。

アクセス

電車の場合は、富士急行線の富士山駅、または河口湖駅が起点になります。どちらからも、富士吉田・忍野八海・山中湖をめぐる周遊バス「ふじっ湖号」が出ていて、「花の都公園入口」で降りればすぐです。バスタ新宿などからの高速バスを使う場合は、河口湖方面行きに乗り、最寄りのバス停から歩いて向かう方法もあります。お車なら東富士五湖道路の山中湖インターチェンジが近く、園内には広い駐車場が整っています。本数の少ない時間帯もあるため、バスの時刻は事前に調べておくとよいでしょう。

撮影のヒント

富士と花を一枚に収めるなら、まず富士をどこに置くかを決めると構図が定まります。花を前景に大きく入れ、その奥に富士を小さく添えると、高原の広さがそのまま伝わります。光のいちばん美しい夜明けは、東から差す光が花と富士を正面から照らす順光になりやすく、色が素直にのります。逆に午後の斜光では、花びらが透けて輪郭が金色に光り、また違った表情が生まれます。風で花が揺れるので、開放で前景をやわらかくぼかすか、少し絞って一輪一輪を立たせるか、狙いに合わせて選んでください。足もとの一輪にぐっと寄って、その肩越しに富士を遠く望む。そんな前景づくりが、この場所ではよく効きます。

あわせて巡りたい

花の都公園は、富士五湖めぐりの起点としても便利な場所にあります。すぐそばの山中湖は湖畔の散策や白鳥との出会いが楽しく、夕暮れに湖面へ映る逆さ富士もみごとです。少し足をのばせば、富士の伏流水が澄んだ池をなす忍野八海があり、水の透きとおる景色は花畑とはまた別の静けさを湛えています。河口湖や西湖をはじめとする富士五湖をつないで、湖ごとに移ろう富士の表情を追いかけるのも、この一帯ならではの過ごし方です。

📍 所在地山梨県南都留郡山中湖村・山中湖 花の都公園
🌼 見頃キバナコスモスは例年8月下旬〜10月中旬、赤そば(高嶺ルビー)は9月下旬〜10月上旬ごろ。見頃の中心はおよそ9月。
🗻 見どころ富士山を背景にした高原の花畑(標高約1,000m)。夜明けの朝焼けに富士と花が赤く染まる時間が格別。
🎫 入園料広い花畑エリアはおおむね無料。施設のある清流の里は有料区域で、料金は季節により異なります(最新は公式でご確認を)。
🚉 アクセス富士急行線・富士山駅/河口湖駅から周遊バス「ふじっ湖号」で「花の都公園入口」下車すぐ。車は東富士五湖道路・山中湖ICが近く駐車場あり。
ℹ️ 最新情報開花状況・入園・営業時間は、花の都公園の公式情報を事前にご確認ください。
富士を背に咲く花の都公園のキバナコスモスの銀塩プリント
🗻 富士を背に咲く秋の花畑を、一枚に

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