JOURNAL ・ 撮影地の記録
ルピナスの森 ― こもれび花畑に立つ4万本の花の塔
木もれ陽のさす丘に、パステルカラーの花の塔が、すうっと立ち並んでいます。埼玉・国営武蔵丘陵森林公園の「こもれび花畑」。春の終わりに、約4万本のルピナスが見頃を迎え、ピンク・紫・白・黄のやわらかな色が、林にかこまれた斜面をゆっくりと染めていきます。
花の塔が並ぶ丘
ルピナスは、穂の部分だけで40〜60センチにもなる、背の高い花です。藤の花を逆さにしたような姿から「ノボリフジ(昇り藤)」とも呼ばれます。一本ずつが塔のように天をさし、それが何万本も連なると、まるでパステルの森のよう。風が通ると、色とりどりの穂がいっせいに揺れて、花畑全体がやわらかく波打ちます。
こもれびの中で
この花畑のいちばんの魅力は、その名のとおり「木もれ陽」です。まわりの林を抜けたやわらかな光が、ルピナスのパステルカラーをいっそう繊細に見せてくれます。強い日ざしよりも、少し雲のかかった日や、木陰になる時間のほうが、花の色は深く、やさしく写ります。一秒を争う日々のなかで、こうしてやわらかい光を待つ時間は、不思議とこころをほどいてくれます。
パステルの塔が、風に揺れる。
木もれ陽がつくる、春の終わりの森。
訪れる方へ ― 見頃
これから訪ねる方のために、見頃やアクセスをまとめます。
ルピナスの見頃は例年4月下旬から5月中旬。こもれび花畑は、公園の中央口から歩いて10分ほどの場所にあります。同じ時期には、すらりと背を伸ばすデルフィニウムも見頃を迎え、青と紫の競演も楽しめます。開花の進み具合はその年で前後しますので、おでかけ前に公式サイトでご確認ください。
アクセスと入園
会場は埼玉県の国営武蔵丘陵森林公園です。電車では東武東上線「森林公園」駅から、立正大学・熊谷駅南口行きのバスで「滑川中学校」または「森林公園西口」下車。お車でも来園でき、広い駐車場があります(駐車・入園は有料です。料金や開園時間は公式サイトでご確認ください)。園内はとても広いので、歩きやすい靴がおすすめです。
撮影のヒント
ルピナスは縦に長い花なので、縦構図もよく似合います。一本を主役にして、背景の花畑をやわらかくぼかすと、塔のような姿が引き立ちます。一方、横構図で斜面いっぱいの花畑の広がりを見せると、パステルの森のような奥行きが生まれます。こもれびの斑(まだら)な光を生かして、花びらの透けをねらうのもおすすめ。風で揺れやすい花なので、穂の動きが止まる一瞬を待ってシャッターを切ります。
あわせて巡りたい
森林公園はとても広く、季節ごとに表情を変えます。ルピナスのあとは、園内のサイクリングコースや、季節の花々をめぐる散策も。一日かけて、ゆっくりと過ごせる場所です。