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関東のあじさい名所ガイド ― 梅雨に咲く、雨の花めぐり
梅雨は、写真を撮るには不向きな季節と思われがちです。けれど、あじさいだけは雨の日にこそ本当の色を見せてくれます。雨に濡れて深まる青、水に浮かべられた花、下町のビルを背にした純白の手まり。灰色の空の下でいちばん輝く花を求めて、関東のあじさい名所を訪ね歩いた記録です。
雨に深まる ― 鎌倉のあじさい寺
あじさいといえば、まず思い浮かぶのが鎌倉です。神奈川・北鎌倉の明月院には、約二千五百株のヒメアジサイが境内を埋め、その澄んだ青は「明月院ブルー」と呼ばれて親しまれています。雨に濡れるほど色は深まり、参道を歩くだけで青の海に沈んでいくような心地がします。あじさいは土の酸性度で色を変える花。同じ青でも、寺ごと、株ごとに微妙に違う青を探すのも、梅雨ならではの楽しみです。
水に咲く ― 茨城の水中華
茨城・桜川の雨引観音では、手水鉢や弁天池に色とりどりの紫陽花が浮かべられます。地元で「水中華」と呼ばれるこの景色は、まるで水そのものが花を咲かせたよう。陸に咲くあじさいが雨に濡れて重たげにうつむくのに対し、水に放たれた花は軽やかで自由です。花のあいだをアヒルがのんびり横切る、のどかな初夏の一日がここにあります。
下町に咲く ― アナベルとスカイツリー
あじさいは古刹だけの花ではありません。東京・江東区では、純白の手まり咲き「アナベル」が群れ咲き、その奥に東京スカイツリーがそびえます。白いあじさいと現代の塔――身近な下町に、こんなにも涼やかな初夏の景色があります。雨上がりの夕暮れ、白が青みを帯びる時間がとくに美しい一枚になります。
雨の日は、あじさいがいちばん美しい。
傘の下から、青をさがしに。
あじさいを撮るために ― 雨の日のコツ
関東のあじさいは、例年六月上旬から七月中旬が見頃です。撮影の狙い目は、晴れの日よりもむしろ雨の日や雨上がり。空がやわらかく曇ると照り返しが消え、花本来の色が深く沈んで写ります。花びらにのった水滴を生かすなら、少し近づいてマクロぎみに。レンズやカメラの雨対策を忘れずに、タオルを一枚持っていくと安心です。雨の日の光の扱いは花風景写真の撮り方にもまとめています。
明月院ブルーから雨引観音の水中華まで、梅雨の静けさをFUJICOLOR最高級印画紙への銀塩プリントでお届けします。深い青の階調をそのままに、額装にも耐える一枚を世界各国へ。
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