撮影地ガイド
座間のひまわり ― 夕暮れの畑に、大樹がひとつ
神奈川・座間。相模川に架かる座架依橋のあたりに、夏のあいだだけ、黄色い海が広がります。座間エリアと四ツ谷エリアを合わせて、その数およそ55万本。首都圏でも有数の規模のひまわり畑です。そして畑のずっと奥に、丸くふくらんだ樹冠の大樹が一本、畑をそっと見守るように立っています。
五十五万本の黄色と、一本の木
ひまわり畑というと、どこまでも続く黄色そのものが主役になりがちです。けれど座間の畑には、もうひとつの主役がいます。畑の奥にぽつんと立つ、丸い樹冠の大樹です。地元では親しみを込めて「トトロの木」と呼ばれていて、ひまわりとセットで撮るのが、この場所の定番になっています。花の高さは、ちょうど人の背丈ほど。そのあいだを歩いていくと、黄色い水面から顔だけを出しているような気持ちになります。視線を上げれば、いつも同じ場所にあの木が立っている。広い畑のなかで迷子にならずにいられるのは、たぶんあの木のおかげです。
日が沈むまでの、みじかい時間
ひまわりは太陽の花です。昼の畑はまぶしくて、元気で、少し騒がしいくらいです。けれど日が傾きはじめると、畑はふいに静かになります。花は向いた方角のまま動かず、あとは風の音だけが残る。救急の現場で働いていると、時間はいつも足りないものだと思って過ごすことになります。だからでしょうか。日没までのわずかな時間、光が刻々と減っていくあの感じに、どうしても足を止めてしまうのです。夏がいちばんの盛りのはずなのに、ひまわり畑の夕暮れには、もう終わりの気配がまじっている。その少し寂しい空気ごと、持って帰りたくなります。
黄色が、しずかに沈んでいく。
畑の奥で、木だけが夕空を見ている。
訪れる方へ ― 見頃
夏のまんなか、いちばん暑い時期がいちばんの見ごろです。
座間のひまわりは、例年8月中旬ごろに見頃を迎えます。時期に合わせて「座間市ひまわりまつり」が開かれ、2026年は8月14日から16日まで、9時30分から17時までの開催でした。会場となるのは、座架依橋をはさんで南北に広がる座間エリアと四ツ谷エリア。ここが約55万本の主役の畑です。畑そのものは終日開放されていますので、まつりの前後の静かな時間に訪ねるのもおすすめです。なお市内には別に栗原会場があり、こちらは約10万本、咲く時期がずれます。開花はその年の天候に左右されますから、最新の開花状況は座間市観光協会の公式サイトでお確かめください。
アクセス
電車では小田急線が便利です。まつりの期間中は、相武台前駅から会場行きの臨時直行バスが運行され、片道260円、15分から20分ほどの間隔で出ています。期間外に訪ねるなら、座間駅から座間四ッ谷行きの路線バスに乗り、「ひまわり畑入口」で降りて徒歩およそ10分、あるいは「新田宿南」で降りて徒歩およそ9分です。畑のなかには日かげがほとんどありません。帽子と水分は多めに用意して、夕方に向けてゆっくり歩くくらいがちょうどよいと思います。運行やダイヤは年によって変わりますので、出かける前に最新の情報をご確認ください。
撮影のヒント
この畑ならではの一枚は、やはりひまわりと奥の大樹の組み合わせです。「トトロの木」と呼ばれるあの丸い樹冠は、手前の花の列と重ならない立ち位置をさがすと、かたちがきれいに抜けます。作品「宵をまつ木」は、日没の直前、空だけがまだ橙に燃えている時間に撮りました。露出はあえて落としています。真昼のひまわりの元気さではなく、一日の終わりに畑が静かになっていく、少し寂しくて懐かしい空気を残したかったからです。ピントは奥の大樹に置き、手前のひまわりは大きくぼかしました。黄色を沈ませることで、視線が自然と木のほうへ向かいます。夕方の光は数分で変わりますから、日が沈む30分前には立ち位置を決めておくと安心です。
あわせて巡りたい
同じ座間市内でも、栗原会場のひまわりは咲く時期がずれます。主役の畑が終わってしまったあとでも、こちらならまだ間に合う年がありますので、時期が合わなかったときは調べてみてください。畑のすぐそばには相模川が流れています。土手に上がると、夕方の川面が空の色を映していて、ひまわり畑とはまた違う静かさがあります。夏の終わりの夕暮れを、少し長めに歩いてみるのもいいものです。
座間のひまわり畑の、日が沈む直前の空気を、FUJICOLOR最高級印画紙への銀塩プリントでお届けします。一枚ずつていねいに仕上げ、世界中へ発送いたします。
💾 画面で楽しむデジタル版(1点 ¥680)もご用意しています。まとめるほどお得で、3点 ¥1,734・5点 ¥2,550(1点あたり ¥510)。作品の組み合わせは自由です。
作品を見る →