稲毛海浜公園の薄暮。長時間露光で絹のようになめらかな海面と、海へ延びるライトアップされたウッドデッキ

撮影地ガイド

稲毛海浜公園 ― 藤色の薄暮と、灯るウッドデッキ

📍 千葉県千葉市美浜区 稲毛海浜公園 🌅 おすすめ 冬(日の入り後の薄暮)

千葉市、いなげの浜。海へまっすぐ延びる木の道が、日の入りとともにオレンジ色に灯ります。藤色から橙へとグラデーションする空が水面に溶け、長い露光のあいだに波は絹のようになめらかに均されていく。静寂と色彩が共鳴する、ほんのひとときの薄暮です。

波を、絹に変える時間

海の写真で、いちばん心が動くのは「動いているものが止まった」瞬間ではなく、「動いているものが溶けた」瞬間だと思っています。この一枚は長時間露光で撮りました。何十秒かのあいだに、寄せては返す波の一つひとつが平らにならされ、海面はやわらかな絹のようになる。空の色――藤色から橙へと移ろうグラデーション――が、そのなめらかな面にそのまま溶けこんでいきます。右手には海へと延びるウッドデッキ。灯りはじめたオレンジ色の光が、静まりかえった青の中に、ひとすじの温度を置いていました。

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人がつくった、海と道

千葉市によれば、稲毛海浜公園は昭和五十二年に開設された、長さ約三キロメートル・面積約八十三ヘクタールの総合公園で、我が国で初めての人工海浜「いなげの浜」を擁しています。海へ延びるウッドデッキは令和四年四月二十九日に開業した比較的新しい施設で、延長は九十メートル、そのうち海上部が四十七メートル、幅は十メートル、先端部は海底から五・二メートルの高さがあります。ライトアップは日の入りから二十二時まで。

砂浜も、木の道も、人の手でつくられたものです。それでも、その上に落ちてくる夕暮れの色までは誰にもつくれません。人工の海辺に、まったく人工でない光が降りる。その取り合わせが、この場所をただの散歩道以上のものにしていると思うのです。救急の現場では、時間は刻まれ、追われ、決して止まりません。けれどこの木の道の上では、何十秒もシャッターを開けたまま、ただ待つ。同じ「時間」が、こんなに違う顔をすることに、いつも驚かされます。

波が絹になり、空が溶ける。
木の道の先に、藤色の光。

訪れる方へ ― 見頃

一年を通して歩けますが、空気の澄む冬の薄暮がとくに美しい場所です。

ウッドデッキのライトアップは、千葉市の案内によれば日の入りから二十二時まで。運営事業者の案内では、ウッドデッキの利用時間は六時から二十二時とされています。日没の三十分ほど前に着いて、空が焼けるところから藍に沈むところまでを通して待つと、色の移ろいをまるごと味わえます。なお稲毛海浜公園は、白い砂浜の供用開始(令和元年)、ウッドデッキの開業(令和四年)、花の美術館のリニューアル(令和七年)と、近年つづけて姿を変えてきた公園です。施設ごとの営業時間は変わることがありますので、お出かけ前に千葉市や運営事業者の公式案内でご確認ください。

アクセス

千葉市の案内では、JR稲毛駅西口2番乗り場から「海浜公園プール行き」に乗って終点下車、またはJR稲毛海岸駅南口2番乗り場から「海浜公園入口行き」に乗って終点下車、徒歩五分です。車の場合、第1・第2駐車場は普通車三時間四百円、以降三十分ごとに百円(一日最大千円)、利用時間は六時から二十二時と案内されています。

撮影について、千葉市は「趣味の範囲での撮影や、一般的な公園利用の場合には事前の手続きは必要ありません」としています。いっぽうドローンについては、原則として個人の趣味による飛行・撮影は許可の対象としていないとの案内が出ていますので、空撮はできないものとお考えください。公園内は全面禁煙です。

撮影のヒント

長時間露光が主役になる場所です。三脚は必須で、レリーズやセルフタイマーでブレを断ってください。海面を絹のようにならすには、日没後の暗くなった時間帯を選ぶのがいちばん簡単です。明るいうちに長秒を狙うならNDフィルターの出番になります。

ウッドデッキのライトはオレンジ、空は藤色から藍へ。この色温度の差が、この場所の持ち味です。ホワイトバランスを寒色に寄せすぎるとデッキの温かみが死に、暖色に寄せすぎると空の藤色が濁ります。迷ったら、空を基準にして、デッキの灯りが少し暖かく残るあたりで止めるときれいにまとまります。デッキの直線を画面の対角に置くと、海の広がりへ視線が抜けていきます。

あわせて巡りたい

同じ東京湾岸でも、夕景の表情は場所ごとに違います。湾をぐるりと南へ回れば、岬の先端に立つ富津岬の展望塔、さらに南房総まで下れば、海へ延びる木の桟橋の先に富士が立つ原岡桟橋。稲毛は都心から最も行きやすい東京湾の夕景で、思い立った日の夕方に間に合う場所です。まずここで海の夕暮れの呼吸をおぼえてから、房総の先へ足をのばすと、同じ湾の奥行きが見えてきます。

📍 所在地千葉県千葉市美浜区高浜7丁目2番1号(稲毛海浜公園)
🏖 公園昭和52年開設。長さ約3km・面積約83haの総合公園。我が国初の人工海浜「いなげの浜」
🌉 ウッドデッキ延長90m(うち海上部47m)・幅10m・先端部は海底から5.2m。令和4年4月29日開業
💡 ライトアップ日の入りから22時まで(千葉市)。ウッドデッキ利用は6:00〜22:00(運営事業者)
🚉 アクセスJR稲毛駅西口2番「海浜公園プール行き」終点/JR稲毛海岸駅南口2番「海浜公園入口行き」終点 徒歩5分
🅿️ 駐車場第1・第2駐車場 普通車 3時間400円、以降30分ごと100円(1日最大1,000円)/6:00〜22:00
📷 撮影趣味の範囲の撮影は事前手続き不要(千葉市)。個人の趣味によるドローン飛行・撮影は原則不可。園内は全面禁煙
ℹ️ 最新情報施設の営業時間は変わることがあります。千葉市・運営事業者の公式案内でご確認ください
額装された稲毛海浜公園の薄暮の写真プリント
🌅 絹のような海と、灯る木の道を一枚に

藤色から橙へ移ろう薄暮と、海へ延びるウッドデッキの灯り。この一枚をFUJICOLOR最高級印画紙への銀塩プリントでお届けします。お部屋にやさしい光と静けさを、世界中へ発送いたします。

💾 画面で楽しむデジタル版(1点 ¥680)もご用意しています。まとめるほどお得で、3点 ¥1,7345点 ¥2,550(1点あたり ¥510)。作品の組み合わせは自由です。

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