昭和記念公園の秋のコスモス畑に浮かぶシャボン玉

撮影地ガイド

花と紅葉の見頃カレンダー ― 月ごとにたどる、日本の一年

📍 関東・中部・関西の撮影地 📅 1月〜12月の見頃一覧

花には、それぞれの二週間があります。撮りに行けるのは、たいてい一年に一度きり。だからこの一年、実際に足を運んだ撮影地を、月ごとに並べ直しました。一月の氷柱から十二月のイチョウまで、どの月に、どこで、何が見頃を迎えるのか。各月から、その撮影地のガイドと、その季節の作品へそのまま行けるようにしてあります。見頃は年の気候で前後しますので、出かける前に必ず現地の公式情報をご確認ください。

冬 ― 一月・二月

いちばん花の少ない季節ですが、逆にいえば、いま撮れるものが限られている分だけ迷いません。上野東照宮ぼたん苑の冬ぼたんは、藁で編んだ「わらぼっち」に守られて、雪の日にこそ絵になります。奥秩父の三十槌では、渓谷の岩肌から染み出した水が凍り、氷柱の壁になります。房総半島の斜面では、海風のなかで水仙が咲きそろい、二月に入れば熱海の早咲き桜と偕楽園の梅が続きます。寒い日の朝ほど、空気が澄んで光がまっすぐ届きます。

1月 ― 藁囲いの冬牡丹と、渓谷の氷柱

📅 見頃冬ぼたん 1月上旬〜2月下旬ごろ/三十槌の氷柱 1月中旬〜2月中旬ごろ/アイスチューリップ 12月〜2月ごろ/房総の水仙 12月下旬〜2月上旬

2月 ― 水仙、梅、そして日本でいちばん早い桜

📅 見頃あたみ桜 1月下旬〜2月上旬/偕楽園の梅 2月中旬〜3月中旬ごろ/河津桜 2月下旬〜3月上旬
スポンサーリンク

春 ― 三月・四月・五月

三月は、川辺の河津桜から始まって、枝垂れ桜と夜桜へ移っていきます。四月は吉野山。下千本から中千本へ、山ぜんたいが淡く煙るように咲き、同じころ茨城と東京ではネモフィラの丘が空の色に染まります。五月になると、新座のなんじゃもんじゃが一夜で白い雪をかぶったようになり、秩父の高原や小貝川の河川敷ではポピーが風に揺れます。桜のあと、花はいっきに賑やかになります。

3月 ― 川辺の河津桜から、枝垂れと夜桜へ

📅 見頃旧中川・岩井の堰の河津桜 2月下旬〜3月中旬/六義園・常圓寺の枝垂れ桜 3月下旬ごろ/千鳥ヶ淵の夜桜・牛代の水目桜 3月下旬〜4月上旬

4月 ― 吉野の一目千本と、青いネモフィラの丘

📅 見頃吉野山 4月初旬〜末/ひたち海浜公園のネモフィラ 4月中旬〜5月上旬/昭和記念公園のネモフィラ 4月中旬〜下旬/春ぼたん 4月上旬〜5月初旬ごろ

5月 ― 白い奇跡と、天空のポピー

📅 見頃なんじゃもんじゃ 5月上旬〜中旬ごろ/ルピナス 4月下旬〜5月中旬/天空のポピー 5月中旬〜6月上旬/ダイヤモンド筑波とポピー 5月中旬〜下旬/平井のポピー 5月ごろ

花には、それぞれの二週間がある。
だから一年は、思っているよりずっと短い。

夏 ― 六月・七月・八月

六月は雨の日を待つ月です。北鎌倉・明月院の石段は、しっとり濡れているときがいちばん青く見えます。七月は早起きの月。不忍池の蓮は午前七時から九時ごろに開き、昼には閉じてしまいます。明野のひまわりは逆光で撮ると、花びらが光を透かして黄金色に変わります。八月には、長岡の夜空に正三尺玉が上がります。救急の当直明けに新幹線へ乗って、河川敷で三脚を立てた夜のことは、いまでもよく覚えています。

6月 ― 雨の日がいちばん美しい、あじさいの月

📅 見頃明月院 6月上旬〜下旬(中旬がピーク)/雨引観音の水中華 6月上旬〜7月中旬/江東区のアナベル 6月ごろ/小田代原の新緑 6月

7月 ― 早朝の蓮と、逆光のひまわり

📅 見頃不忍池の蓮 7月中旬〜8月中旬(早朝)/明野のひまわり 7月下旬〜8月中旬ごろ/桃色吐息 7月〜9月ごろ/レモン色のキバナコスモス 7月下旬〜9月

8月 ― 信濃川の夜空と、夕映えのひまわり畑

📅 見頃長岡まつり大花火大会 毎年8月2日・3日/座間のひまわり 8月中旬/ひたち海浜公園のジニア 8月〜9月ごろ/浜離宮のキバナコスモス 8〜9月

秋 ― 九月・十月・十一月・十二月

九月、千葉の雑木林で曼珠沙華が燃え、奥日光の高原ではもう草紅葉が始まっています。十月は紅葉が標高を降りてくる月で、六方沢や半月山、明智平と、日ごとに撮る場所が下がっていきます。十一月は京都。東福寺の通天橋、瑠璃光院の机もみじ、祐斎亭の丸窓。そして十二月、東京駅前の行幸通りが金色に変わるころ、一年がまた閉じていきます。この時期の京都と日光の十六スポットは、新刊にまとめました。

9月 ― 彼岸花が咲き、高原では草紅葉が始まる

📅 見頃曼珠沙華 9月中旬〜下旬(お彼岸のころ)/花の都公園の赤そば 9月ごろ/戦場ヶ原・小田代原の草紅葉 9月下旬〜10月上旬/ダリア綾なす秋の園 9月下旬〜10月下旬

10月 ― 紅葉が、標高を降りてくる

📅 見頃奥日光 10月上旬〜下旬(標高で移ろう)/六方沢 10月中旬〜下旬ごろ/半月山 10月下旬〜11月上旬/秋のコスモス 10月ごろ

11月 ― 京都の名刹と、富士の湖畔

📅 見頃河口湖 11月上旬〜中旬/香嵐渓 11月中旬〜下旬/東福寺 11月中旬〜12月上旬/瑠璃光院・祐斎亭・南禅院・東寺 11月中旬〜下旬/昭和記念公園の黄葉 11月

12月 ― イチョウの金と、いちばん澄んだ夕景

📅 見頃行幸通りのイチョウ 11月下旬〜12月上旬/丸の内の夕景 11月〜2月/千葉の海の夕景 冬/房総の水仙 12月下旬〜

訪れる方へ ― 見頃

この表の日付は「例年の目安」です。

ここに書いた見頃は、各撮影地ガイドに載せている例年の目安をそのまま並べたものです。実際にはその年の気温と雨で前後し、とくに桜と紅葉は一週間ほど動くことがあります。花の名所は開花状況を毎日更新している公式サイトを持っていることが多いので、出発の前日にもう一度見ておくと安心です。入園料・開園時間・ライトアップの期間も年ごとに変わります。私も、前日の夜に公式の開花情報を見てから行き先を決めることがよくあります。

アクセス

ここに並べた撮影地の多くは、東京から日帰りで行ける範囲にあります。電車だけで行けるのは、上野・浜離宮・六義園・千鳥ヶ淵・旧中川・行幸通り・昭和記念公園、そしてひたち海浜公園と明月院。車があると楽なのは、奥日光(戦場ヶ原・半月山・六方沢)、秩父の高原、小貝川の河川敷、房総の水仙と夕景の海岸です。京都と吉野山、長岡と福井は、前泊すると朝の光に間に合います。各撮影地の詳しいアクセスは、それぞれのガイドに書きました。

撮影のヒント

見頃の「はじめ」と「終わり」は、意外なほど絵が変わります。桜は満開の翌週の花筏、紅葉は散りぎわの絨毯、イチョウは落葉後の金の路面。ピークを外した日でも、撮るものは必ずあります。朝夕のやわらかい光は年間を通していちばん頼りになりますし、雨上がりは花も葉も色が濃くなります。混雑する名所ほど、開園直後の三十分が勝負です。撮り方のくわしいところは、花風景と紅葉の記事にまとめてあります。

あわせて巡りたい

同じ場所でも、季節を変えて訪ねると別の顔に出会えます。ひたち海浜公園の「みはらしの丘」は春の青いネモフィラ、夏のジニア、秋のコキア。上野東照宮ぼたん苑は冬ぼたん、春ぼたん、秋のダリア。昭和記念公園は春のネモフィラ、夏と秋のコスモス、そして十一月のイチョウ。一年で三度、四度と通える場所を持っておくと、季節の移ろいがそのまま作品になります。

📅 春梅 2月中旬〜3月中旬/河津桜 2月下旬〜3月上旬/枝垂れ桜 3月下旬/吉野山 4月初旬〜末/ネモフィラ 4月中旬〜5月上旬/ルピナス・ポピー 5月
📅 夏あじさい 6月/蓮 7月中旬〜8月中旬(早朝)/ひまわり 7月下旬〜8月中旬/長岡花火 8月2日・3日/ジニア・キバナコスモス 8〜9月
📅 秋彼岸花 9月中旬〜下旬/草紅葉 9月下旬〜10月上旬/奥日光の紅葉 10月/河口湖 11月上旬〜中旬/京都の紅葉 11月中旬〜12月上旬
📅 冬行幸通りのイチョウ 11月下旬〜12月上旬/房総の水仙 12月下旬〜2月上旬/冬ぼたん 1月上旬〜2月下旬/氷柱 1月中旬〜2月中旬/あたみ桜 1月下旬〜2月上旬
🗾 エリア関東(東京・千葉・埼玉・茨城・栃木・神奈川)/中部(山梨・静岡・新潟・愛知・福井)/関西(京都・奈良)
ℹ️ 最新情報見頃・開園時間・入園料は各撮影地の公式サイトでご確認ください
🎛️ この記事の光を、あなたの写真に

本記事の作例に使っている現像の考え方を、Lightroom / Camera Raw 用プリセット30本にまとめました(¥1,500・購入後すぐZIPでダウンロード)

プリセットを見る →
コスモスとシャボン玉(東京 ― 国営昭和記念公園 秋の魔法の一瞬)
🗓 季節をひとつ、壁に

この一年の作品は、FUJICOLOR最高級印画紙への銀塩プリントでお届けしています。飾る季節を決めてから選ぶのも、おすすめです。

💾 画面で楽しむデジタル版(1点 ¥680)もご用意しています。まとめるほどお得で、3点 ¥1,7345点 ¥2,550(1点あたり ¥510)。作品の組み合わせは自由です。

作品を見る →
スポンサーリンク
← 撮影地ガイド一覧にもどる